「ヨガ・ストーラ」…「ヨーガ・ストーラ」や「ヨーガ・スートラ」とも呼ばれることがありますが、ここでは「ヨガ・ストーラ」と呼ばせて頂きます。
「ヨガ・ストーラ」とは…
インド哲学という哲学の中でもインドを主とした哲学の1派に「ヨーガ学派」という派があります。それは、ヨガをすることにより身も心も統一して解脱をめざす派のことです。その根本経典が「ヨガ・ストーラ」です。
この「ヨガ・ストーラ」には、8つの守るべき決まり、「三昧(サマディ)」への辿り着くための段階が記されています。
それが「ヨガ8支則」です。
ヨガ8支則は、その名の通り、規則が8つあります。
1つ目は、ヤマ【禁戒】
ヤマの中には、5つの約束があります。
1.Ahimsa(アヒンサ)…暴力をふるってはいけません。
2.Satya(サティア)…ウソをついてはいけません。
3.Asteya(アステーヤ)…盗んではいけません。
4.Brahmacharya(ブラフマチャリヤ)…性欲に溺れてはいけません。
5.Aparigraha(アパリグラハ)…執着してはいけません。
これらの約束は、身体や物に対するだけではなく、人の心や時間、大切にしている物、すべてに対して守らなければなりません。
2つ目は、ニヤマ【勧戒】
ニヤマの中には、やるべきことがあります。
1.Sauch(シャウチャ)…美しく保ちましょう。
2.Samtosa(サントーシャ)…幸せに感謝しましょう。
3.Tapas(タパス)…努力しましょう。
4.Svadhyaya(スヴァーディヤーヤ)…勉強しましょう。
5.Isvarapranidhana(イーシュヴァラ・プラニダーナ)…受け入れましょう。
3つ目は、アサナ【坐法】
自分の身体の状態を知り、感じることです。
4つ目は、プラナヤマ【調気法】
気のコントロールのことです。主に「呼吸」のコントロールのことです。
5つ目は、プラティヤハーラ【制感】
瞑想して、感覚の制御をしていくことです。
6つ目は、ダラーナ【集中】
集中することを中心とした瞑想法です。
7つ目は、ディヤーナ【無心】
集中を更に超えていく瞑想法です。
8つ目は、サマディ【三昧】
ここが最終段階。理智の域、宇宙の域です。
6,7,8の段階をまとめて、サンヤマ【統制】と呼ばれ、心理的な流れで、はっきりと区別することは難しい域です。
以上が、ヨガ8支則と言われるものです。
サマディに辿り着くのは、なかなか厳しいものがあるのかもしれません。